〇 悩みは万人共通
皆さんこんにちは。
文月(@fumiduki100)です。
皆さんにも悩みがあるかと思います。
当然私にもあります。
深刻なものから、人からしたらどうでもいいようなものまで。
人間生きていくなかで悩みはつきもので、逃れられないものなのでしょうか?
答えは「反応しない練習/草薙龍瞬」にありました。
この本は、ブッダの教えをもとにいかに心のムダな反応を止めて、悩み・苦しみから抜け出すかの方法を教えてくれます。
この本は、読むと頭の中が浄化されるようで、本当に心が軽くなります。
すべてを「反応しない練習」に書いてあるようにはできませんが、それでも今抱えている悩みの一部を手放すことはできるようになります。
〇 著者について
著者は草薙龍瞬さんという僧侶の方です。1969年生まれ。
中学中退、16歳で出家し、大検を経て東大法学部卒とかなりすごい経歴です。
ミャンマー、タイへと仏教留学。
現在はインドで仏教徒、NGOとともに幼稚園を運営しつつ、日本では宗派に属さずに実用的な仏教を伝える活動をしているということです。
「反応しない練習」のほかにも著書多数。
こうしてみると、仏教とはどのように活用するのが人の役に立つのかということを考えて活動してらっしゃる方というのがわかります。
そのポリシーは本書のなかでも発揮されていて、ブッダの教えをどのように活用すれば悩みから解放されるかが具体的に語られています。
〇 「反応しない練習」の概要
この本は、まず自分の感情を「理解」することからはじまります。
「ブッダの考え方は、私たちが日ごろ抱えている「悩み」を「理解する」ことから始まります。①「悩みがある」⇒②「悩みには理由がある」⇒③「悩みには解決策がある」と、順を追って「理解」していくことで、どんな悩みも確実に解決できるというのが、ブッダの合理的な考え方です。」(反応しない練習/P16)
理解すると一歩ふみだせると著者は言います。
悩みがあることを理解すると、次に「その悩みの正体はなんなのか」という疑問が出てきます。
著者は、仏教の世界ではそれが執着=心の反応であるといいます。
嫌なこと、嫌いな相手、カチンとくる言葉…
これらに反応するから悩みが生まれます。
著者は、仏教の知恵を使い、悩みを発生させている心の反応を手放すことを薦めているのです。
〇 「それに、一体、何の意味があるのだ」
この本を読んでいて良く出てくる言葉に”承認欲求”があります。
承認欲求とは、”マズローの欲求5段階説”に言われる4番目の欲求です。
人間には5段階の欲求がピラミッド状にあり、下から生理的欲求(食欲、睡眠欲、排せつ欲等)、安全欲求(外部や病気からの安心・安全な暮らしへの欲求)、社会的欲求(友人、家庭、会社等のコミュニティからの受け入れられたい欲求)、承認欲求(他者から認められたいと願う欲求)、自己実現欲求(あるべき自分になりたいと思う欲求)となっています。
この中で、生理的欲求、安全欲求、社会的欲求はこの日本で暮らす一般の方々は基本的には満たされているものと思われます。
そこで次の段階の欲求としてでてくるのが承認欲求です。
承認欲求は、それまでの3つの段階の欲求が内的な欲求であることに対し、”他者から認められたい”ということで他人が登場する外的な欲求です。
承認欲求においては他者からの尊敬、名声、注目や出世、地位などを求めます。
承認欲求が満たされない場合、劣等感や無力感を感じるようになり、「自分はダメな奴だ…」と自分を否定するようになります。
しかし、仏教的には自分を否定する判断に合理性はないと著者は言います。
なぜなら、「その判断は苦しみを生んでいる」からです。
また、承認欲は”他者より自分が上”とか”人の目を気にする”といった弊害を生む元でもあります。
他人からの評価や地位が自分をポジティブな方向に変えてくれるのであればいいのですが、ネガティブな方向にしてしますなら、その判断に「一体、何の意味があるのだ」と自問したほうが良いでしょう。
この本には、どのようにすれば承認欲を昇華して、他人の目を気にしない自分なりの人生を歩めるかのヒントが満載です。
〇 終わりに
「反応する練習」に書かれていることをすべて実践するのは非常に難しいと思いますし、自分自身いまだに自分の頭の”判断”に悩まされます。
しかしながら、この本のメッセージを意識するのとしないのでは大違いです。
本に書かれていることを実践し、少しでも成果があれば、それは前進の証であり、いつかは”ムダな反応”から抜け出せるのですから。
悩みのある人全員に超おすすめです!