皆さんこんにちは。文月です。
本日も引き続き「世界全史」について見ていきたいと思います。
この一連のエントリーは、私の読書備忘録を兼ねています。
一つ前のエントリーはこちら。
世界全史 「35の鍵」で身につく一生モノの歴史力 /日本実業出版社/宮崎正勝 |
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本日は第9章「地球規模の時代へ」から、米ソの冷戦についてみていきます。
ドルが世界通貨に
第二次世界大戦の結果、敗戦国のドイツ、イタリア、日本のみならず、戦勝国のイギリス、フランスも力を弱め、自国が戦場にならなかったアメリカのみが一人勝ちの状況となりました。
アメリカは世界の工業生産の半分を占め、金の八割を蓄えるという圧倒的経済的有利さを背景に、ドルを世界通貨とする事に成功します。
戦後アメリカは「マーシャル・プラン」や「国際連合」創設といった施策を通じ、アメリカ中心の世界秩序を形成しています。
しかし、そのアメリカ中心の世界秩序に対抗したのがソ連でした。
冷戦
ナチス・ドイツと真っ正面に戦い、多大な犠牲を払って勝利したソ連は、強大な軍事力と社会主義イデオロギーを武器に、アメリカ中心の世界秩序に挑戦します。
西ヨーロッパと日本、東ヨーロッパと中国にそれぞれ影存在響力を拡大した米ソは、直接に軍事力を用いずに、経済、外交などを手段とする「冷戦」に突入する事に。
冷戦の第一ラウンドはベルリンで起こりました。
当時、ドイツは東西に分かれており、東ドイツはソ連の勢力圏に入っていました。
東ドイツにあったベルリンは、その中でさらに東西に分割されており、西ベルリンは、ソ連勢力圏のまっただ中に存在する離れ小島のアメリカ勢力圏(米英仏が管理)だったのです。
ソ連は突如西ベルリンへの経路を封鎖。
アメリカ側は西ベルリンへの輸送路を失ってしまいます。
このベルリン封鎖に対し、西側諸国は空輸により対抗します。
西ベルリンへの空輸作戦はかなりギリギリでしたが、封鎖が長期化する事により国際社会のソ連批判が高まり、最終的にソ連は封鎖を解除せざるをえなくなりました。
朝鮮戦争
1949年、中国では共産党が勝利し、「中華人民共和国」が成立します。
共産党の勝利によりソ連の中国に対する影響力が高まり、冷戦の舞台がヨーロッパから東アジアへとシフトしました。
朝鮮半島は、第二次世界大戦後に38度線を境として北をソ連が、南をアメリカが占領。
それぞれに北朝鮮と韓国が成立します。
北朝鮮と韓国はどちらも武力による半島統一を主張していましたが、米ソのスタンスはまるで違いました。
ソ連は、北朝鮮の武力統一を後押ししたのに対し、アメリカは韓国に武力を与えると北朝鮮に侵攻すると考え、最低限の武力しか与えませんでした。
この結果、南北のパワーバランスが著しく北朝鮮有利になり、1950年6月、北朝鮮による奇襲攻撃により朝鮮戦争が勃発する事になりました。
朝鮮戦争は当初ソ連式の重装備を有する北朝鮮が圧倒的有利であり、韓国はなすすべもなく一時釜山をのぞき占領されてしまいます。
しかしアメリカの介入と史上初の国連軍の編成により押し返すことに成功、今度は北朝鮮・中国国境までアメリカ側が迫ります。
これに危機感を持った建国間もない中国が、直接ではなく義勇軍を派遣するという形で朝鮮戦争に介入、米中が朝鮮半島で対峙する事に。
朝鮮戦争は核兵器使用の危機もありながら、その後も一進一退を繰り返して結局もとの38度線付近をラインとして休戦、未だに朝鮮戦争は終結しないまま38度線でにらみ合っています。
冷戦の集結
朝鮮戦争の結果、冷戦は一気に世界化。
米ソは核兵器、弾道ミサイル、化学兵器などの軍拡競争を繰り広げます。
ソ連がアメリカの裏庭ともいえるカリブ海の島国キューバにミサイル基地を建設すると、アメリカがその撤去を求めて海上封鎖を実行し、あわや米ソ間の核戦争かというところまでいきました(キューバ危機)が、これはギリギリのところで米ソトップの電話会談により回避されました。
こうした対立は米ソによる軍拡競争となり膨大な軍事支出は両国の経済を圧迫していきます。
先に限界がきたのはソ連でした。
農業制作の失敗やアフガニスタン侵攻の失敗などにより財政危機に直面したソ連はゴルバチョフがトップに就任。
行政・経済、グラスノスチ(情報公開)など、多面にわたる体制改革に着手し、アメリカとの和解、軍縮に乗り出します。
しかし改革はすでに時遅く、共産党のクーデター失敗を気にソ連共産党は解体され、ソ連も解体する事となりました。
ソ連が社会主義を放棄するという、誰も予想できなかった出来事が起こったのです。
ソ連解体前の1989年、ゴルバチョフとアメリカのブッシュ大統領の間で冷戦終結が確認され、冷戦は終わりました。
終わりに
いかがでしたでしょうか?
第二次世界大戦後の世界は、米ソの超大国二国による冷戦のもと、核戦争による世界の滅亡が現実味をもっていました。
しかし、冷戦による軍拡競争は超大国二国の経済を弱め、冷戦は集結したものの世界経済は極めて不安定化します。
次回は冷戦後の現代をみていきます。
ご覧いただきありがとうございました。
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